今読んでいる本があるんですが、半分くらい読んだところなんですけど、あまり面白くないので書籍名は伏せます。
女の子が従弟のお兄さんに恋をしていて、従弟のお兄さんにはいい感じの美人の同級生がいて、主人公が意地悪をしたりしていますが、今のところ面白くないです。
おもしろくないのにどうしてこのお話を読み続けているかというと、主人公の女の子の恋の仕方や性格が興味深いから。
そもそもただの家庭教師だった従弟のお兄さんを好きになった。
そこまではわかる。
でも、この主人公は「従弟のお兄さんも自分の事を女性として意識している」「好き同士だからいつか結婚できる」と勘違いしている所。
告白をされたと思っていて、主人公は日記を書き始めるのだ。
自分に都合よく捉えた、冷静に見たら虚偽日記を。
だけど主人公からしたら虚偽でもなく、間違いなく事実で真実。
友人に読ませるのですが、友人は「その言葉や行動がどのようなシチュエーションで言われたのか?」と、主人公に問う。
友人は聡明なので「そういう意味ではないのでは、、?」と、伝えても主人公は「知らないから言うのよ!」と思いっきり突っぱねる。
親友の事を信じようと、親友を傷つけないようにと、初めは遠回しに勘違いを指摘していた友人は、何も言わなくなり、「そこまで言うならそういう可能性もあるかもしれない、、」と、なんなら同調し始めます。
主人公は思い込みが激しく、頑固、ヒステリック、現実を正しく見ようともせずに、都合の悪い事は人のせい。
その上認知は歪みまくっているし、自分がこうだと思った事が全てで、疑う事もできない。
うっすら「自分が違うのかも?」と気づきそうになっても、気が付いたら負けとばかりに見ないようにするし、自分の都合のいい解釈に置き換えてる。
お花畑だし、痛い。
そのまま突っ走り、半分の今の時点ではついに犯罪行為に手を染めます。
犯罪と言っても殺人や傷害などではないですが、不法侵入と窃盗と詐欺を既にやっている。
そして主人公は、それが犯罪行為だとも気づいていないんです。
小説としてはここからどうなるんでしょうね?
主人公の可哀そうなところは、初めはみんなやんわりしてきしようとしていたいのに、だんだん誰も言ってくれなくなるところです。
俯瞰的に物事が見れず自分目線しか持たないし、伝えた人や周りがどうしてそう言うかを考えようともしないから、変わりもしないし、気を使う周りを無意識に傷つけている所。
思い通りの事を言ったりやったりしてくれないと、自分が悲劇のヒロインきどりで、相手のせい。
実際にいたら目も当てられない痛さ。
言っても聞かないし、伝えても聞く耳がない上に、真実を言うと悪者にしてくるんですから、周りは面倒くさくなり、そのまま放っておこうとなります。
それでも主人公は自分は頭がよく、作戦は上手くいっている、従弟のお兄さんにも、周りにも好かれていると思っている。
よくわからないけどポジティブで、人を引きずり降ろそうと画策していて、自分がそうだから人の事も信用できない。
ホラー小説ではないのに、主人公がまあまあいるタイプなのが怖い所です。
思い込みが激しい人の思い込みを解くのは、とても大変です。
自己暗示と言いますか、洗脳状態と変わらないですから、よっぽど痛い事でもないと覚めません。
これが正しい、自分は間違っていないという考えで、他の考えが入らないのですから、まずは「自分が思っている事は違うのかもしれない?」という、疑問を持てるかどうか。
疑問を持って冷静に俯瞰的に考えて、多少でも疑問があったり違ったのであれば、自分の間違えを認められるかどうか。
認めてどうしたらいいか考えられるかどうか。
認める所までくれば、周りに嫌な人しかいない状況でない限り、本当の事を教えてくれます。
嫌な人ばかりだと、せっかく持てた自分への疑いを「そんなことない」と、肯定して元に戻すように仕向けられます。
思い込みが激しい人は周りに多大なる迷惑をかけますが、そう思い込んでいて欲しい人も存在するからなんですよね。
そう思っていてくれた方が都合がいいと考え、なんでも「そうだよね」とYESマンなのは、その相手が気が付かない方が自分にとっては都合がいいだけで、相手の事などちっとも考えてはいないです。
要はしたたかというか、人を利用しようとしている人はそうなります。
その人がどうであろうがいざとなったら関係ないですし、手のひらを反したりする。
そういう人たくさん見てきました。
利用できる時だけ利用するんですよね。
相手の性格の悪さや間違いに気が付きながら、自分に得になりそうなことしか選ばない。
ちなみにそういう人は総じて「ずるそうな顔」だったり「ずるそうな表情」をします。
このあと物語がどう進んでいくのかわかりませんが、ハッピーエンドはありえないでしょう。
この主人公がどうなるかだけが見物です。
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